円座抄

白粉花、蟷螂

 長い梅雨が明けましたが、猛暑の日々です。その上にコロナの第二波の襲来です。
気温の上がる前にいつものように散歩に出ました。オシロイバナが咲いています。
白粉花(おしろいばな)は秋の季語です。

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 夕方から開くことから夕化粧の呼び名があると、歳時記に書かれています。朝ですが咲いています。しぼんでいる花も多いので、これから次々と咲くのでしょう。

 家に戻ると、オリーブの木にカマキリがいました。

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 蟷螂(かまきり・とうろう)も秋の季語です。

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 青緑色のスラリとした躯体は、ヨガインストラクターのように柔らかく見えます。意味ありげにオリーブの幹を登りつつある姿も、面白いです。

 白粉花の句、蟷螂の句を主宰の句集と魚目先生の句集で探しましたが、なぜか見つけられませんでした。
そこで、俳句大歳時記から波多野爽波の白粉花の句を紹介します。波多野爽波 氏は魚目先生と俳句の縁の深い方でしたので、すぐ目にとまりました。

「 白粉花吾子は淋しい子かも知れず 」 波多野爽波 『湯呑』 ……大歳時記より……
そして、たまたま私の持っている本の『再読 波多野爽波』のなかの〈爽波この一句〉のコーナーで ふけとしこ 氏がこの句をとりあげています。

 元「青」の人達との爽波を読む会で、二年半程かけて全集を読んだ。有難い時間だった。掲句、情に傾くが、白粉花が俄に懐かしくなる(ふけとしこ)

 白粉花の咲く道を通ると、思い出す一句になりそうです。

 蟷螂の句も俳句大歳時記より紹介します。

「 蟷螂を怒らせて山下りけり 」 ふけとしこ 『伝言』 ……大歳時記より……
上記のふけとしこ 氏の句が目にとまりました。山下りけり への思い切った展開がいいですね。

ところで、円座第五十七号の連載のなかに、蟷螂の句があります。
橋本小たか 氏の連載、 素十『初鴉』を読む(10)のなかで、次の句が取りあげてあります。

「 蟷螂や揺らぎながらも萩の上 」 高野素十 
小たか 氏はこの句について次のように述べています。
「揺らぎながらも萩の上」は、風に強めにゆれている萩に乗っているかまきりの動きを、風という言葉は使わずに表現したもの。「蟷螂やゆらぎながらも」までで、かまきり自体を写す。「萩の上」でカメラが一気に引く感じ。「も」の使い方。「も」にかまきりのふんばりを込めかまきりへの感情移入を誘った。(抜粋)

なるほど❕
 













 
 






by enza-hoshitsuzuri | 2020-08-03 21:48 | 散歩と季語 | Comments(0)

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