円座抄

元旦

 大寒波とともに令和三年の年が明けました。てっきり雪のお正月だと思っていましたが、幸いなことに、この辺りは積雪にはなりませんでした。
今朝は、まず初日の出を拝んでから産土の八幡社へ行きました。今朝の日の出スポットには、私たち以外にも数人の人々が、日の出を待っていました。

元旦_d0384651_15070524.jpeg

 厚い黒雲が垂れこめているので、「ちょっと無理かな……」と思っていましたが、山の稜線と黒雲の境に明るい隙間ができて、そこに光がさしてきました。これが初茜というのでしょうか?

元旦_d0384651_15070899.jpeg

 それでも何とか初日の出を拝むことができました。思わず手を合わせてコロナウイルスの感染拡大が収まりますようにと祈りました。この太陽の光冠もコロナと呼ぶと思います。「どうぞコロナウイルスを鎮めてください」

 八幡社の参道沿いには、毎年、参道を華やかに飾り付けしてくださるお宅があります。いつも楽しませていただいています。

元旦_d0384651_15072230.jpeg

元旦_d0384651_15071635.jpeg

 ご自分の家の玄関でもないのに、このように飾って、参拝者を迎えてくださっています。ありがたいことです。


 「歳旦や鳥羽街道に鴨吊られ」 武藤紀子 『円座』
 「裏白は鳥羽僧正に描かせたし」 武藤紀子 『朱夏』

  歳旦は元日のこと。鳥羽街道は、調べてみると京都の羅生門跡から鳥羽を通り伏見へと至る街道とのこと。主宰が実際に見た景を俳句にされた思いますが、歴史的な街道の名と、吊られた鴨と元日の取り合わせが、いい雰囲気を醸し出していると思います。元日を歳旦と言ったところが効果的だと思います。
  裏白は、正月の飾りに使うので新年の季語。その裏白を「鳥羽僧正に描かせたし」と、思い切って言ったところに格調と力強さを感じます。

 「とろとろの柿正月の薬とし」 宇佐美魚目 『薪水』
 「翁出て木を叩きけり初御空」 宇佐美魚目 『薪水』

 よく熟した柿をとろとろの柿と表現し、おめでたい正月に味わって食べる。その滋味は、まるで薬のようだと述べられている。人間味あふれる句だと思います。


by enza-hoshitsuzuri | 2021-01-01 16:14 | 散歩と季語 | Comments(0)

最新のコメント

名古屋港
by 名古屋港 at 21:03
種田ちえり
by 遠国信也 at 21:02
名古屋城
by 名古屋城 at 08:16
白戸彩花 野々村なぎ
by 高本裕迅 白戸彩花 at 08:16
「卒業証書空気を芯に巻い..
by 人生いろいろ at 18:35

最新のトラックバック

お気に入りブログ

ブログジャンル

創作小説・詩
ナチュラルライフ

ファン

ブログパーツ

外部リンク

ライフログ